モルタル外壁の寿命・劣化症状と適切なメンテナンス方法
戸建て住宅の外壁は、家の顔とも言える重要な部分です。
その中でもモルタル外壁は、独特の風合いと耐久性から、長く愛されてきました。
しかし、モルタル外壁にも寿命があり、適切なメンテナンスをしないと、劣化が進み、建物の寿命にも影響を与えます。
今回は、モルタル外壁の寿命や劣化症状、そして効果的なメンテナンス方法について、分かりやすくご紹介します。
モルタル外壁の寿命と劣化症状
モルタル外壁の一般的な寿命
モルタル外壁の寿命は、一般的に30年程度と言われています。
これは、適切なメンテナンスが行われた場合の目安です。
メンテナンスを怠ると、紫外線や雨風による劣化が加速し、寿命は短くなります。
また、モルタル外壁の施工技術や使用する材料、地域環境によっても寿命は変動します。
例えば、海沿いの地域では塩害の影響を受けやすく、寿命が短くなる傾向があります。
寿命が近づいているサイン・劣化症状のチェックポイント
モルタル外壁の寿命が近づくと、様々な劣化症状が現れます。
主な症状は以下の通りです。
1: ひび割れ:細かいひび割れ(ヘアークラック)は、見た目だけの問題で済むこともありますが、幅が0.5mmを超えるような大きなひび割れ(構造クラック)は、雨水の浸入や外壁の強度低下につながるため、早急な対応が必要です。
ひび割れの位置や大きさ、数などを注意深く観察しましょう。
2: 剥がれ:外壁の一部が剥がれ落ちている場合は、下地の劣化が進んでおり、雨漏りのリスクも高まります。
早急に補修が必要です。
3: チョーキング現象:外壁を触ると白い粉が付く現象です。
塗料の劣化によって、表面の保護機能が低下しているサインです。
4: 苔・カビの発生:湿気が多い場所などに発生しやすく、外壁の美観を損なうだけでなく、外壁の劣化を促進します。
5: 色褪せ:長年の日射しや雨風によって、外壁の色が褪せてきます。
これは、塗料の劣化を示すサインです。
劣化症状別の対処法・必要となる工事の種類
劣化症状によって、適切な対処法は異なります。
1: ひび割れ:ヘアークラック程度であれば、コーキング材による補修で済みますが、構造クラックの場合は、専門業者による補修が必要になります。
ひどい場合は、部分的なモルタルのやり直しや、外壁カバー工法が必要となる可能性があります。
2: 剥がれ:剥がれた部分を補修し、必要に応じて塗装をやり直す必要があります。
ひどい場合は、部分的なモルタルのやり直しや、外壁カバー工法が必要となる可能性があります。
3: チョーキング現象:塗装が劣化しているため、再塗装が必要です。
4: 苔・カビの発生:高圧洗浄で苔やカビを除去し、その後、防カビ剤入りの塗料で再塗装します。
5: 色褪せ:再塗装が必要です。
モルタル外壁の寿命を延ばすためのメンテナンス
定期的な点検と塗装の重要性
モルタル外壁の寿命を延ばすためには、定期的な点検と塗装が不可欠です。
最低でも年に1回は、外壁全体を点検し、劣化症状がないか確認しましょう。
ひび割れや剥がれ、苔・カビの発生などが見つかった場合は、早期に補修・塗装を行うことで、劣化の進行を抑制できます。
塗装が必要なサイン・劣化症状のチェックポイント
再塗装の目安は、築5~7年程度です。
前述の劣化症状に加えて、以下のサインも再塗装の必要がある可能性があります。
1: 水をかけた際に、水がすぐに染み込む。
2: 外壁表面がザラザラしている。
3: 塗膜がはがれ始めている。
適切な塗装方法と塗料選びのポイント
塗装を行う際には、下地処理を丁寧に施すことが重要です。
既存の塗膜を完全に除去し、ひび割れや剥がれなどを補修してから、新しい塗料を塗布します。
塗料を選ぶ際には、耐候性や耐久性、防カビ・防藻性能などを考慮しましょう。
まとめ
モルタル外壁の寿命は、適切なメンテナンスを行うことで、30年以上保つことが可能です。
しかし、メンテナンスを怠ると、劣化が加速し、寿命が短くなります。
定期的な点検と、劣化症状に応じた適切な補修・塗装を行うことで、モルタル外壁の寿命を延ばし、建物の資産価値を維持することができます。
早めの対処が、コスト削減にも繋がりますので、気になる症状があれば、専門業者に相談することをお勧めします。
外壁の劣化は放置すると、雨漏りなどの深刻な問題につながる可能性もあるため、定期的な点検は非常に重要です。
適切なメンテナンスを行うことで、安心して快適な生活を送ることができるでしょう。