クリア塗装とは何か?外壁塗装のメリット・デメリットを徹底解説
外壁塗装を検討されている方にとって、大切なのは建物の美観を維持しながら、劣化を防ぐことではないでしょうか。
色やデザインを変えずに、外壁を保護する塗装方法として注目されているのが「クリア塗装」です。
このクリア塗装は、透明な塗料で外壁を保護する技術ですが、その種類やメリット・デメリット、適した外壁材などは、意外と知られていません。
今回は、クリア塗装について詳しく解説し、皆様の外壁塗装の計画にお役立ていただければ幸いです。
クリア塗装とは何か?外壁塗装における役割と種類
クリア塗装の基本的な定義と目的
クリア塗装とは、透明な塗料を用いて外壁を塗装する方法です。
既存の外壁の色やデザインをそのまま維持しながら、紫外線や雨風などによる劣化から保護することが主な目的です。
クリア塗装によって、外壁の美観を長期間にわたって保つことが期待できます。
また、クリア塗装は、外壁材の種類によっては、光沢の付与や撥水効果の向上も期待できます。
クリア塗装の種類と特徴・アクリル系・ウレタン系・シリコン系・フッ素系・無機系
クリア塗装に使用される塗料は、アクリル系、ウレタン系、シリコン系、フッ素系、無機系など、様々な種類があります。
それぞれに特徴があり、耐用年数や価格、性能が異なります。
1: アクリル系クリア塗料:最も安価で、手軽に施工できますが、耐用年数は比較的短く、約5~8年程度です。
光沢は比較的弱めです。
2: ウレタン系クリア塗料:アクリル系よりも耐久性があり、約8~10年程度の耐用年数が期待できます。
アクリル系よりも光沢があり、比較的コストパフォーマンスが良いです。
3: シリコン系クリア塗料:ウレタン系よりもさらに耐久性が高く、約10~12年程度の耐用年数があります。
耐候性、防汚性にも優れており、高品質な仕上がりを求める場合に適しています。
4: フッ素系クリア塗料:最も高価ですが、最も耐久性が高く、約15年以上の耐用年数があります。
耐候性、防汚性、防カビ性に優れており、長期的なコスト削減につながります。
5: 無機系クリア塗料:シリコン系やフッ素系と比較すると、価格はやや高めですが、20年以上と非常に高い耐久性を誇ります。
無機質の塗膜は、非常に硬く、傷つきにくく、長期間にわたって外壁を保護します。
各クリア塗料の耐用年数と価格帯の目安
上記の通り、クリア塗料の種類によって耐用年数と価格帯は大きく異なります。
価格帯は㎡あたりで、アクリル系が1,400円~1,600円、ウレタン系が1,700円~2,200円、シリコン系が2,300円~3,000円、フッ素系が3,800円~4,800円、無機系が3,500円~5,000円程度が目安です。
(価格は地域や業者によって変動します。)
耐用年数を考慮し、予算と相談しながら最適な塗料を選びましょう。
ツヤの種類・ツヤあり・ツヤ消し・3分ツヤ
クリア塗装の仕上がりは、ツヤの有無によっても大きく変わります。
「ツヤあり」は、光沢があり、新築のような輝きを演出します。
「ツヤ消し」は、マットな仕上がりで、落ち着いた雰囲気になります。
「3分ツヤ」は、ツヤありとツヤ消しの間くらいの光沢感で、上品な仕上がりとなります。
ご自身の好みや建物のデザインに合わせて、最適なツヤを選択しましょう。
クリア塗装のメリット・デメリットと適した外壁材
クリア塗装のメリット・外壁デザインの維持・光沢の付与・外壁保護
クリア塗装の最大のメリットは、既存の外壁のデザインをそのまま維持できることです。
また、適切な塗料を選択することで、光沢の付与や撥水効果の向上、防汚効果、防カビ効果などを期待できます。
これにより、建物の美観を維持し、外壁材の劣化を抑制することが可能です。
クリア塗装のデメリット・シーリング部分への塗装不可・補修跡の目立ち・不適切な外壁材への施工リスク
クリア塗装には、いくつかのデメリットもあります。
まず、シーリング部分には塗装できません。
また、外壁に既にひび割れや汚れ、補修跡がある場合、それらがそのまま見えてしまう可能性があります。
さらに、光触媒コーティング済みの外壁や、金属系サイディングなどには、クリア塗装が適さない場合があります。
施工前に、必ず専門業者に相談し、外壁の状態を確認することが重要です。
クリア塗装に適した外壁材・サイディング・コンクリート・モルタル・木材
クリア塗装は、デザイン性の高いサイディング(特に窯業系サイディング)、コンクリート、モルタルの外壁に適しています。
また、ウッドデッキや窓枠などの木材にも使用できます。
クリア塗装に向かない外壁材・光触媒コーティング済みの外壁・金属系サイディングなど
光触媒コーティング済みの外壁や、金属系サイディング(ガルバリウム鋼板など)には、クリア塗装が適さない場合があります。
これらの外壁材は、クリア塗料との相性が悪く、剥がれやすくなる可能性があります。
費用感の目安
クリア塗装の費用は、使用する塗料の種類、外壁面積、施工状況などによって大きく異なります。
㎡あたり1,000円~5,000円程度が目安ですが、実際には専門業者に相談して見積もりを取ることが必要です。
まとめ
クリア塗装は、外壁のデザインを維持しながら、建物を保護する有効な手段です。
しかし、すべての外壁材に適しているわけではなく、メリット・デメリットを理解した上で、専門業者に相談し、最適な塗料と施工方法を選択することが重要です。
今回は、皆様の外壁塗装計画の参考になれば幸いです。
クリア塗装を検討する際には、必ず専門業者に相談し、外壁の状態を診断してもらいましょう。
適切なメンテナンスを行うことで、建物の美観と耐久性を長く保つことができます。
費用や耐用年数についても、事前にしっかりと確認し、納得した上で施工を進めましょう。
長期的な視点で、建物の維持管理を考えていくことが大切です。